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2015年秋、グラフィックデザイナーがウェブデザイナーになりました。

わたしが「起業したくない」理由

わたしは起業をしたくない

 

 

社会人になってこの方、わたしはデザイナーという職業しかしたことがない。

前職は編集や企画、ライター、イベント運営など、とてもデザイナーの仕事とは思えぬ仕事もしていたけれど、

そんな時も一応肩書きはグラフィックデザイナーだった。

わたしにとってデザイナーは天職だと思う。

だから何度転職してもその度にデザイナーと名のつくものに就いている。

 

 

そんなわたしが、いつの頃からだろう。

「えもなら起業できるよ」とか

「起業した方がいいんじゃない?」とか

「えもはいつか起業しそう」とか

言われるようになった。

それはお褒めの言葉と捉えているので、ありがたく頂戴するとして、

わたしはそれでも起業なんてしない。

 

 

そんな折、父親が起業するらしいという話が舞い込んだ。

うちの父は、某PCメーカーを早期退職して、中国に飛び、上海で仕事をしている。

もう7、8年くらいになるだろうか。

 

そんな父親がこれから起業するらしい自分の会社を将来わたしに継がせたいと言ってきた。

まじで、心底、ありがた迷惑5000%…

 

 

わたしは、社会人になってからずっと

特に前職の創業に立ち会ってから

絶対に起業だけはすまいと心に決めている。

 

理由は簡単だ。

それは、

お金の話をしたくない。

デザイン以外の仕事(経営や事務処理など)をしたくない。

他人(社員)の人生を背負いたくない。

勘違いしてすり寄ってくる小物と関わりたくない。

 

何より、そこまでしてやりたいことがない。

これに尽きる。

 

起業をすると、苦労とプレッシャーが生活を脅かす。

前職でそんなところを間近で嫌という程見てきたし、それが実を結ぶよう社員として尽力してきた。

それでもそうそう思った結果が出るわけじゃない。

 

起業は、本当に自分のやりたいこと、つまりは自分の正義を信じて貫いていかないといけない。

すぐには結果は出ないから、プライベートを犠牲にして死ぬ気でやらないといけないし、

一人ではできないから、プレイヤーを集める必要があって

それは同時に自分はプレイヤーではなくなることを意味している。

プレイヤー的仕事は当然やることにはなるけれど、

監督権選手であって、選手ではない。

支配人兼メンバーで、しかも総選挙1位のさっしーは化け物で、イレギュラー。

 

 

わたしは、プレイヤーでいたいし

人を巻き込んでまでやりたいことなんてない。

あったとしてもクリエイターとしてだし、

法人化してうんたらとか、ビジネスとしてうんたらなんてのは必要がない。

いつでも目の前の試合を全力で戦うことが好きで

采配と事務処理と人付き合いだけで生きていくなんて

真っ平御免だ。

 

人付き合いといえば、起業するとたぶん高確率で

大した仕事持ってこないくせに有り難がられてると勘違いしてるやつが

何人かすり寄ってくる。

それがもう心の底から面倒くさい。

そういう人らに時間や精神を奪われるのがとにかく嫌なのだ。

特に芸能関係は多いので要注意。

いらんわ。 

 

 

 

わたしは一般大出身というのもあって

普通のデザイナーよりは論理的思考や企画作りを勉強してきたし、

それなりの家の子の割に堅実という名のケチな親に育てられたので経済観念もまともだし、

人一倍努力をする真面目さや

人に好かれる素直さもある。

社長の適性はまぁまぁある方だと思う。

 

ただ、一番大事な「信じている自分の正義」が一切ない。

社会貢献ができるような何かなんてなくて

いつだって自分が一番可愛くて

愛してるのはわたしの周囲5メートルくらいの人だけで

社会を動かそうなんてことは考えていない。

 

起業だけはすまいと思うのは

わたしがアーティストではなくデザイナーを仕事としたのと

ほとんど同じ理由だと思う。

アーティストは自分を表現し他人に影響を与えるものだけど、

デザイナーは他人のものが社会に影響を与えられるようになる手助けをする。

わたしは表現したい自分なんてなくて、

他人の助けをする方がよっぽど好きで楽しい。

 

 

だから、わたしは起業しないし、

親の会社も継ぐことはない。

 

※そもそも、やっと父親の影響下から逃れたのに、なんでまた戻らなきゃいけないんだ。死んでも嫌だ。あんな時代に戻るくらいなら、渡米する(謎)

わたしはやっと手に入れた自由を絶対に手放さない。

 

 

起業したら自由になれると思ってる人が多いだろうけど、

会社員の方がよっぽど、好きなことばかりで来て自由だ。

会社員が不自由だと思うのは、単に職種か職場選びをを誤ってるか、

思い描いてるものに相応しい自分になれてなくてそこに行けてないだけ。

普通に転職すればいい。

 

 

それに、これは持論だけれど

起業は若い時にすべきだと思う。

年老いてから起業すると、

思い切りが悪くなって保守的になったり、

変なプライドが邪魔をしたり、

ずっと年下な社員たちの意見を素直に聞けなくなる。

社会への嗅覚も鈍る。

体の無理が利かなくなる。

やっぱりどれを取っても若い方がいい。

 

つまり今やる気がないということは、

わたしは一生しない方がいいということだ。

 

 

父親は電話口で、

「いつかは考えは変わる」

などと言っていたが、

わたしはこの言葉で幾度となく夢を潰されてきたけれど、

父親が求めたことをやりたいと思ったことは一度たりともない。

 

 

 

だからわたしは一生起業しない。